スーツを長持ちさせるためのコツとは?

2022.05.30 成人式スーツ 結婚式参列衣装 フォーマル 新郎衣装 ビジネススーツ

スーツを長持ちさせるためのコツとは?

スーツは、一生ものになり得る物です。

ですが、普段から大切に長持ちさせようと扱い、メンテナンスをしていないと1年も持たせる事はできません。

そこで今回はスーツを長持ちさせる基本管理のコツを見て行きましょう。

目次

特に、高級なスーツは着心地や見た目を良くする目的で天然素材のウール(羊の毛)を使用している割合が高く適切な管理を続けて行けば長く着心地と見た目を維持する事が出来ます。

ですが型崩れや破損、変色、虫食いなどのメンテナンスを日頃から行う必要がありますので、基本的な管理方法から一つ一つ見て行きましょう。

ハンガーにかける

少数派だとは思いますが、長期保管する時なども含めて、畳んで仕舞う事は厳禁です。

表生地のシワもですが、スーツの中には複数の芯地材が入っています。畳んでしまうと中の芯地材が変形してしまい高級スーツ特有の立体感が損なわれてしまいますので、必ず保管時にはハンガーを使用しましょう。

そして、ハンガーも、どんなハンガーでも良いわけではありません。クリーニング戻りに付属する薄いハンガーでは変形を防ぐ事は出来ませんので、スーツに合わせたハンガーを選びましょう。

ハンガーにも様々種類やサイズが有りますが、まず一番にスーツの肩幅に合わせたものにします。

肩幅が合っていないと、肩や腕の部分に不自然なシワが入ってしまいます。

そして次に厚みです。襟の付け根や肩廻りなどの立体感を保つ為には適度な厚みが必要です。出来ればハンガーの肩先が前方に向かって少しカーブしているものであれば、人が着用した状態に近づける事ができますのでお勧めします。これにより保管中のスーツの型崩れを防ぐことになります。

ブラッシングする

着用後のケアも大切です。

一日着用していたスーツは人の体の湿気や油分を吸っており、チリやホコリなどを吸着させやすい状態になっています。もしかすると食事の時に汚れが付着しちるかもしれませんので、着用後は必ずブラッシングと目視での確認を行います。

ブラッシングの効果が感じられるのは2年ほど着用を重ね、ウール本来が持っている油分が抜け始めてからと言われています。

ブラッシングには、人の髪の毛のブラッシングと同じ効果が有り、チリやホコリを落とす以外に毛並みの向きを一定の方向に整える効果もあります。特に油分が減少すると繊維同士が絡まり、摩擦から起こる毛玉を押さえる事と合わせてウール本来の艶を維持する事にもつながります。

 

ブラシの材質は、豚毛や馬毛を使ったものがおすすめです。初めに全体を軽く叩き、ホコリを浮かせてからブラッシングします。ジャケットは襟元から裾に向かって、ズボンも腰から裾に向かって一方方向に行います。毛並みを上から下に一定の向きに揃える事でチリやホコリが引っ掛かりにくくなります。

ボタン緩みの点検

ボタンの緩みは傷みの前兆現象と思って下さい。縫い目と比べ、ボタンは一点でストレスを受けています。サイズが合っていないなど理由でボタンが緩んでいる事も考えられますので、ボタンが緩んできた時はボタンだけ付け直すのではなく、その他のサイズが合わなくなった事も考え、縫い目が傷んで破れてしまう前にサイズ調整をするなどの対策を行って下さい。

特にパンツのバックポケットのボタンとジャケットとベストの前立てボタンは緩みやすい傾向にありますので注意が必要です。

ローテーションで着用する

綿素材などと比べ伸縮性が有るお陰でシワが入りにくく復元性の高いウール素材ですが、1着のスーツを頻繁に着てしまうと、伸縮性の元となるウール生地の織とスケールが伸びきってしまい最終的には千切れて傷みの原因に繋がります。

ウールのスケールとは。

羊の毛の断面は丸ではなく楕円状で、細かくちぢれ、コイル状になっており、これをスケールと言い、それをフンワリと織り上げる事でウール生地特有の伸縮感の元になります。

しかし、このスケールは自然と元のコイル状に戻ろうとする働きがある事から、少し休憩を挟む事で元のスケールへ戻る為、何着かのスーツを日によって変えながら、間隔をあけて着るようする事で、さらに長持ちさせる事が出来ます。

またこのスケールは、適度な水分を与えると復元が早まりますので、深いシワが入った時など、蒸気や霧吹きで水分を与えるのは有効的です。ですが、部分的に多く水分を与えると輪じみの原因になりますので、適度な水分を与える事が大切です。

クリーニングはなるべく低頻度

大切なスーツだから頻繁にクリーニングに出した方が良いのではと思うのかもしれませんが、

スーツをクリーニングに出すのは1年に1度衣替えの時の1回が適当な頻度です。

ウールには適度な油分が含まれおり、この適度な油分がしなやかさや光沢感をだしていいます。

クリーニングでは、汚れと共に油分が流れ出てしまい柔らかさと光沢感も少しずつ失われてしまいスーツの品質を保つためには逆効果になります。

ですので、汚れが酷い時などを除き、クリーニングの頻度は最低限に留めましょう。

化学薬品を掛けない

スーツは頻繁にクリーニングに出せない事が分かってもらえたと思います。

そして次に、消臭スプレーやコーテイング剤などの化学薬品も掛けない様に心がけましょう。

化学薬品を掛けた直後には反応しなくても、半年近くスーツの表面に化学薬品が付着していると、太陽光などの影響で物質が変化し、シミや変色として表れてしまう事も有るからです。

もし、臭いが付いてしまった時は風通しの良い所にさらすか、アイロンや浴室の蒸気を利用して水分と共に揮発させましょう。

まとめ

スーツメンテナンスの基本をお伝えしてきました。

今回の内容をすでに実践されている方も有ると思いますが、一つ一つの積み重ねがスーツ長持ちに繋がります。

今一度、自分のスーツを確認してみて下さい。