2025.01.31 成人式スーツ 結婚式参列衣装 新郎衣装 ビジネススーツ
スーツの「下衿」、正式には「ラペル」と呼ばれる部分には、大きく分けて「ノッチドラペル」「ピークドラペル」「ショールカラー」の3種類があります。それぞれに歴史や特徴があり、選ぶデザインによってスーツの印象が大きく変わります。本記事では、スーツの下衿(ラペル)の種類とその違い、歴史、さらにはどの場面でどのラペルを選ぶべきかを詳しく解説します。
ラペルは、スーツのジャケットにおいて最も目立つディテールの一つです。その形状によってスーツ全体の印象が変わり、フォーマル度や個性を演出する重要なポイントになります。
フォーマル度の調整:ラペルの形状によって、カジュアルな雰囲気から格式のある装いまで幅広く調整できる。
顔周りの印象を左右する:ラペルの幅や形状がVゾーンのバランスを決め、着る人の顔立ちや体型の見え方にも影響を与える。
時代やトレンドに左右される:スーツのラペルのデザインは、時代によってトレンドが変わりながらも、それぞれの形が持つ役割は変わりません。
ノッチドラペルは、ラペル(下衿)とカラー(上衿)が鋭角に切り込まれた形状のラペルです。
一般的なスーツに最も多く使われるデザイン
控えめでバランスの取れたデザイン
カジュアルからフォーマルまで幅広く対応
ノッチドラペルは19世紀後半に登場し、当時の乗馬用ジャケットに由来しています。上衿と下衿を分離させたデザインにすることで、ジャケットの動きやすさを確保し、より機能的なデザインになったとされています。
ノッチドラペルは汎用性が高く、以下のようなシーンで適しています。
ビジネススーツ:オフィスや商談、日常のビジネスシーンに最適。
カジュアルスーツ:ジャケパンスタイルやカジュアルな場面でも違和感がない。
初心者向けのスーツ:初めてスーツを作る人にとって、万能な選択肢。
ピークドラペルは、ラペルの先端が上向きに尖っているデザインが特徴です。
よりフォーマルでエレガントな印象を与える
肩幅を広く見せ、シャープなシルエットを演出
格式の高いスーツやダブルブレストジャケットに多用される
18世紀の燕尾服(テイルコート)やフロックコートが起源とされており、19世紀にはディレクターズスーツやタキシードにも採用されました。貴族や紳士階級のフォーマルな装いに使われたデザインであり、現在でもフォーマルな場面での着用が推奨されています。
フォーマルスーツ:結婚式、パーティー、高級なディナーイベントなど。
ダブルブレストスーツ:クラシックで洗練された印象を与える。
ビジネスエグゼクティブ向け:役職者や重役向けのスーツに最適。
ショールカラーは、ラペルが一体化して曲線を描くように滑らかにつながったデザインです。
シームレスで柔らかい印象を与える
最も格式が高く、タキシードやディナージャケットに多く採用される
クラシックでエレガントな雰囲気
ショールカラーは、19世紀のスモーキングジャケット(室内用ジャケット)から発展しました。当時の上流階級の男性が喫煙時に着用していたジャケットに使われていたもので、その後、フォーマルウェアの象徴として確立されました。
ブラックタイイベント:タキシードやディナージャケットに多用される。
格式の高いパーティー:エレガントな雰囲気を演出。
クラシックなフォーマルウェアを楽しみたい場面。
マオカラーは、ラペルがないスタンドカラーのデザインで、中国の毛沢東(マオ・ツォートン)が好んで着用したことから名付けられました。
特徴:衿が直立しており、スッキリとしたミニマルな印象。
適したシーン:モード系スーツ、カジュアルなフォーマルウェア。
おすすめポイント:通常のスーツとは異なるモダンな雰囲気を演出できる。
カラーレスデザインは、襟自体がないジャケットで、非常にモダンでシンプルなスタイル。
特徴:ラペルがなく、首回りがスッキリとしたデザイン。
適したシーン:カジュアルなセットアップ、モード系ファッション。
おすすめポイント:個性的なスタイルを楽しみたい人におすすめ。
スーツの下衿(ラペル)は、スーツ全体の印象を決定づける重要な要素です。
ビジネスや日常使いにはノッチドラペルが無難。
格式の高いシーンではピークドラペルが最適。
最もフォーマルな場面にはショールカラーがふさわしい。
どのラペルを選ぶかによって、スーツの印象や着用シーンが大きく変わります。TPOに応じて適切なラペルを選び、自分に最適なスタイルを楽しみましょう。