スーツ・ジャケットの丈の長さを考察

2019.08.28

スーツ・ジャケットの丈の長さを考察

こんにちは、ロードハウス 赤尾です。

夏も終わりに近づき、私の子供たちも溜めてしまった宿題をせっせとしています。昔、私が学生のころは、親に最後手伝ってもらっていましたが、私は手伝っていません。何をしたらいいのか分からないのが状態なのです。

 

さて、今回のテーマですが、「ジャケット丈」について考えてみたいと思います。

私ども「ロードハウス」では、お客様のご要望をお聞きしたうえで、私どもの考えをお伝えして、一番いいと納得していただける長さで調整させていただいています。

 

どれくらいの長さがベストなのでしょうか?

まず、歴史的なところから、復習していきたいと思います。

 

元々、現在のスーツに近いものが誕生したのは、19世紀はじめ頃のイングランド、ヴィクトリア王朝時代に、フロックコート×白シャツ×ボウタイ×スラックスのスタイルが出来上がりました。そのフロックコートは、正装時の午前はモーニングコートになり、午後は燕尾服になり、(フロックコートは、前丈も後丈も長いですが、モーニングコート、燕尾服は、テール後丈が長くなります)

 

フロックコート(現代のですが・・・)

 

モーニングコート

 

それが紳士の装いでした。この時の丈は、コート丈で、膝より少し上の丈が主流でした。

 

やや時代が流れて、19世紀中ごろになると、ラウンジジャケットが誕生します。夕食などのイベントが終了した後に、男たちが別室(スモーキングルーム)(ラウンジルーム)でくつろぎ、語らう時に作られた、丈が短くなったジャケットです。それでも、今のスーツよりは丈がやや長く、おしりがすっぽり隠れる長さでした。

 

このラウンジジャケットが、今のジャケットやスーツに近いものだと思ってください。そして、このラウンジジャケットが、ラウンジ以外でも着られるようになり、ベストやスラックスも共生地で作られ、ラウンジスーツとなりました。それが、19世紀末から20世紀初めごろにかけての時代です。

 

だらだらと書いてしまいましたが、その後、(短くなったり、戻ったり)しばらくかけて、トレンドとしては、徐々に短くなってまいりました。現在、一番多く丈として、お見かけするのは、おしりのてっぺんくらいの丈でしょうか。もちろん、それより長い丈も多く見かけます。

 

 

昔から、バランスの良く見える丈は、首元からカカトまでの長さ(総丈÷2)であったり、腕を下に伸ばして、ジャケットの裾を指の第二関節で丁度持てる丈、などと言われてきています。上記に記入したような丈は、それより、かなり短いです。

 

このバランス良く見える丈ですと、おしりがしっかりと隠れる長さになります。現在のトレンドから比較すると、5~10cmくらい長めでしょうか。

 

私どもとしましては、スーツなどできるだけ品よくキレイに着て頂きたい気持ちがあります。もちろん、本人様のご希望や、体型のバランスを考慮させていただき、丈を決定していきます。上半身の体格がよい方は長くなりすぎると、やぼったく見えてしまいますし、細い方は、短いとより貧相に見えてしまします。

 

全体としての気持ちとしては、今のトレンドより、少し長い丈をお勧めしたいです。

 

ジャケットの場合はまだ、短くてもいいと思いますが、特にスーツの場合は、例えば役職につかれている、働き盛りのビジネスマンの方などは、落ち着いた丈をお勧めします。間違ってもおしりが全部でてしまうような、ちゃらい丈だけは、やめてください。

一度、ご自身のスーツの丈も気にしてみてください。

 

好みは自由であるべきですが、周りからの見え方は意識してください。

 

よろしければ、こちらも見てください。

ビジネススーツ